コンビニ砦の戦い(仮題)
街
白い天井が見えた。
寝心地の良いベッドに寝かされてるようだ。
僕は腕に点滴を射たれていた。
ゆっくり身体を起こすと隣のベッドに樋口さんが腰かけて本を読んでいた。
綺麗な白のパジャマのような物を着せられていた。
「あ!起きたのね。三川君以外は皆入院よ。疲れと気付かない間の傷が多かったみたい。三川君だけ入院してないの笑えるね。
三川君は少し離れた所でもう働いてるらしいよ。
こないだ来て皆さんによろしく言ってくれだって。
井上ちゃんと山本さん、木本さんは無事よ。
意識も戻ってる。本を久しぶりに読んだわ。
ちょっと歩いたけど大きな街ね。」
ガチャりと部屋が開くとこと美ちゃんが果物と本を抱えて入ってきた。
もう一つのベッドがこと美ちゃんのベッドのようだ。
「起きたんだ。内田さん何か欲しい物がある?果物食べる?」
僕は、まだ頭が上手く働かなくて今は良いよと答えた。
「最後凄かったんだってね。こっちもどうなるかと思ってたけど。」
樋口さんがそう言った。
「井上ちゃんと山本さんと木本さんが無事で良かったですよ。
山本さんの傷が深かったけど、正直誰が死んでてもおかしくない状況でしたからね。」
「あの恐竜は動いては駄目って言われてるのに熱いコーヒーを飲みたいって騒いだらしいよ。コーヒーと煙草を吸いたいだって。馬鹿よね。」
樋口さんが笑う。
「凄い心配してた癖に。」
こと美ちゃんが樋口さんをからかった。