コンビニ砦の戦い(仮題)
山本さんはこと美ちゃんを抱えるようにして庇い樋口さんは自分の頭を抱えた。
「危ないなあ。一番駄目なの最後にしちゃ危ない。」
三人とも岩を逃れる事が出来たが樋口さんのこの言葉は僕の胸に刺さった。
確かに、僕はそれほど運動神経も良くないし、色々な事に対しての要領も良くなかったが、樋口さんの言い方は多少きついだろうと思えた。
小山を何とか降りても僕の心の中に樋口さんの言葉がもやもやと残っていた。
ピュッと風を切る音が耳元を掠めた。
僕のすぐ横を通って小山に弓が刺さっていた。
山本さんが小山の向こう側に戻れと言ってこと美ちゃんを抱えながら引き返し始めている。
樋口さんも素早く引き返し始めた。
僕も慌てて小山に取りつき引き返したが矢が何本か飛んで来ているのが見えて混乱した。
それと、さっきまでのもやもやした気持ちが馬鹿馬鹿しくなった。