コンビニ砦の戦い(仮題)

樋口さんは、もう一度ごめんねと言うとバケツを持って裏の川に向かった。


山本さんもバケツを持って樋口さんに付いて行きながら渡辺さんに目配せしてここは、任せたと合図を送った。



「井上さん、少ない人数でやってるんだからそりゃ気に入らない人も当然いるよね。

元々は、コンビニの店員と客ってだけで共通点なんてないんだからね。

だけど、なるべく争いは辞めよう。

何故かは、協力しないとこの状況を良くは出来ないからね。

嫌いなら嫌いで良いからね。」



井上ちゃんは痛さで涙目になりながら渡辺さんの言う事を一応聞いているようだ。


この先も二人の争いは続くのかと思うと僕は憂鬱になった。



元々は、井上ちゃんの樋口さんに対するコンプレックスから来てるような気がしたからだ。



樋口さんには都会から来た人間の洗練されたムードが有り頭の回転も運動神経も良かった。



井上ちゃんが持ちあせてない物を樋口さんが持っている。



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