コンビニ砦の戦い(仮題)
母子家庭で、母親が身体が弱いために料理をしているとの情報を同僚の井上貴子が教えてくれた。
健気だが哀れみはこの少女には似合わなかった。
いつも元気そうで溌剌としていたからだろう。
必ずレジでありがとうございますと言って帰っていた。
その情報をくれたアルバイトの井上貴子は隅の方でだらしなく足を開いて眠っている。
まだ、二十二才のはずだが田舎のヤンキーが染み付いた女のだった。
脱色した髪は傷み服装も何処かいつもだらしなく僕は、好きではなかった。
それに、貴子は虚言癖も有り自分自身をやたら大きく見せる事に必死だった。
例えば前の彼氏はヤクザだったとか家は本当は裕福だが私は、そういう家が嫌いで、こういう店でバイトをしてるとかそういう類いの物ばかりを話す惨めな人間だと僕は思っていた。
このような女は、街には沢山居て僕はうんざりしていた。