コンビニ砦の戦い(仮題)
僕は立とうとしたが、足が震えて上手く立てなかった。
井上ちゃんも三川君も同じようだった。
こと美ちゃんは走って樋口さんの所に行くと何度も謝りながら泣いた。
樋口さんは謝る必要などないと何度も言いながらこと美ちゃんを慰めた。
山本さんが、渡辺さんに近づき背中に刺さった矢をゆっくり抜くと仰向けにして胸に耳を当てたりしていたが諦めた。
そして顔を埋めて大声で泣いた。
皆がその姿を見ながら泣いた。
しばらくすると山本さんはタオルで顔を拭いて言った。
「今までは、誰がリーダーとか決めてなかったが、これからは俺がリーダーだ。文句の有るヤツがいるなら今のうちに言えよ。」
その声は言ってる事とは違って静かで悲しみに満ちていた。
誰も文句を言ったりはせずに頷いた。
井上ちゃんが、山本さんに謝った。
「私が、理不尽な反発を……」
山本さんは、それを聞いて謝る必要などないとキッパリ言った。