コンビニ砦の戦い(仮題)
樋口さんが男のジーンズも下ろしてテキパキと今出来る処置をしていった。
傷口を消毒してそこに何かしら貼ったり巻いたりする事だけだが、男の傷の多さを考えたら樋口さんの素早い処置は驚くほど速く的確に見えた。
一通り終わると新しいコンビニに置いてあったTシャツを着せて新しい下着も履かせた。
その時に男が男で有るのを確認して僕は何故かほっとしていた。
ジーンズの代わりに山本さんが自分の古い作業着を履かせた。
樋口さんはスポーツ飲料を持ってきて男に飲ませた。
男はそういう時だけ積極的に喉を鳴らして飲んだが後は、ぐったりしてなすがままだった、
男をそっと横にすると上から段ボールをかけてあげた。
毛布などはなかったために、皆が段ボールとか新聞紙とかを工夫して寝床にしていた。
男は直ぐに寝息を立て始めた。
そうとうに疲れきっているようだ。
「疲れきってるな。しばらく休ませてからだな。見張りに戻れ。何が起こるか分からんぞ。」