コンビニ砦の戦い(仮題)
山本さんは向こうの道路に這い上がると少し休み山に入った。
しばらくすると山から戻り慎重にロープが着く所まで降りると二本の木を石で打ち付けた。
ロープが着いた時の足場になるようにだろう。
向こう側の木に括りつけたロープも確認しているようだ。
「内田君大丈夫だ!来い!ここまでくれば俺が引っ張り上げてやるから!」
僕は腹に力を入れると張ってあるロープに短いロープを掛けて腕に力を入れて足で思いきり地面を蹴った。
ゆるゆると進む。
予想以上に遅い。腕の力が失われ握力が無くなりつつあった。
山本さんや井上ちゃんの声が聞こえた。励ましているようだ。
山本さんが向こう側の道路にうつぶせになり腕を下ろしていた。
何とか持ちこたえ着くと僕は山本さんが打ち付けた木に足を掛けて這い上がろうとしたが掴む物が分からず腕をバタバタさせてしまった。
焦っていた。このままでは落ちると思った所にガチッと何かが僕の腕を掴みゆっくり上げてくれた。
山本さんだった。