コンビニ砦の戦い(仮題)
車のナンバーが東京の物だったし、着てる服もこの辺りでは、見かけない洗練されたワンピースに、ヒールを履いていた。
背が高くおそらく一メートル六十五は越えているだろう。ヒールを履いているのと身体付きが細いために更に高く見える。
年は本人が言うには三十三歳だが、若く見えたし美人だった。
頭の回転も良くしなやかな豹を思わせる感じの女性だった。
樋口皆子は、このコンビニの裏山に有る秘湯を目指して来たらしかった。
この温泉は、山の中にポツンとあって管理人も今は居なくまさに秘湯だったが、一昨年関西からの女子大生が、夜中に来て通り魔に教われるという事件が有り客足が途絶えた。
幸い女子大生は、命はとりとめた物の温泉で有名な地方都市には、打撃だった。
通り魔は、違う県で別件で捕まりこの事件の犯人でもある事を自白したのだが、一度そういう事が有るとやはり客足が途絶えるのは仕方ない事だろう。