コンビニ砦の戦い(仮題)

「緊急時だから何だよ!?」


三川君が今宮君に怒ったように聞くが今宮君は、それを無視して話した。


「僕は物心ついた頃から皆に弾かれてきた。
と言うより馴染めずにいたと言うのが正解かな。
自分自身にも馴染めずにいたから。」



「自分自身にも馴染めずにとは?だけどそういう感覚は誰しも有るのではないのかな?」



樋口さんが、そう言って続きを促した。


「いや、そういう感覚が誰しも有るのは分かるし僕の感覚が別段特別ではないのを知るのは、ある程度歳をとってからですよ。

子供の時には知識も無かったから戸惑うばかりです。」



「具体的にどういう事なの?」


樋口さんが柔らかい口調で聞くと今宮君の表情に諦めのような物が浮かんだような気がした。


「身体は、男なのに心は女ってやつですよ。オカマでもゲイでも性同一障害でもなんでも良いんですが、本人はけっこう苦しみましたよ。」


今宮君は一気にそう言うとコーヒーを飲んだ。


僕は何故か雨の日で良かったなと思った。

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