コンビニ砦の戦い(仮題)
ゲツジン
今宮君に僕が感じた違和感の一つはこれなんだとも思った。
今宮君はコーヒーを飲むと更に続けた。
「だけど、今回の事で自分自身がそういうので良かったかもと思いましたよ。」
「どういう意味だ。」
山本さんが聞くと今宮君は頭を振りながら答えた。
「はっきりは言えないですが、異端だったからこうして生き残れたのかなと思いますよ。」
「意味が分からんなぁ…上手く説明してくれないか?」
山本さんが、首を捻りながら頼んだ。
「僕だって意味が分かる説明は難しいですよ。だけど山の方に居る連中は既に人間ではありません。ゲツジンに身体を乗っ取られて頭も乗っ取られてます。
僕は、身体を乗っ取られて身体能力は上げられましたが、何故か頭を乗っ取られなかったんですよ。
それは、もしかしたら僕がこういう人間だったからなのかな?と今は思うんですよ。」
「ゲツジン!?」
皆が声を揃えて聞いていた。
僕は今宮君が今話した事を何とか理解しようとしていたが、ゲツジンの一言で頭の中が白くなっていた。