図書室で愛をささやく



私に気付いたのか、にこやかに手を振っている。


本気でやめてよね。


ため息をついて席に着く。


今日は読書なしの日。


その代わり経済系を読む。


苦手な現代文対策にしてる。


真面目にワケが分からないので、かなり困る。


黙々と読み進めていると、ふっと本が抜き取られた。


「ねぇ、悠香。」


はい、これで余計に分からなくなった。


「何か。」


「甘いものって好きか?」


「もうだいぶ食べてないけど、好きな方ですよ。」


相変わらずワケが分からない。



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