図書室で愛をささやく
「んじゃ、明日の放課後空けとけ。」
携帯を弄りながら言う彼はいつも唐突だ。
本を取られてしまって、仕方なく課題を引っ張り出す。
何もしないで彼の話を聞いているのは、時間の無駄になりなねない。
「どうして。私にも用事があったり、」
あったりするんです。
って言おうとして失敗した。
すっと私の頬を、撫でた彼の指につねられた。
「拒否権なしでよろしく。」
「い、いはい!いはいって!」
言葉の発音が上手くいかない。
彼はずいぶんとご機嫌な様子でにっこりと笑った。
「なんて言ってんの、悠香ちゃん。」
確信犯ってホント、質悪い。