図書室で愛をささやく
明日がどうのって彼は言ってたけど、私はそれをガン無視して図書室に向かった。
彼に流されないようにするのに必死で。
けれど彼は私の予測範囲を、ものの見事に裏切ってくれた。
図書室の入り口には、長身茶髪が目をつぶって寄りかかっていた。
「遅ぇよ、悠香。」
ぱちっと目を開いて、私の手を取る。
「待っててなんて言ってない。」
「知ってる。」
あっさりと言い返されてしまうと、黙るしかないじゃないか。
彼はなぜか非常階段を使い、靴に履き替え裏門から学校を出た。
急に、ビン底メガネとウィッグを身に付けた姿に笑ってしまう。