図書室で愛をささやく
授業を終えて向かう先は図書室。
利用者がほとんどいないし、かなりの穴場だと思う。
読みたい本と辞書を本棚から抜き取って、司書室に向かう。
辞書や事典、古典書類のたぐいは先生から使用許可をもらわなくてはいけない。
「こんにちは、先生。」
「こんにちは、悠香さん。どうぞ使っていいわよ。」
入学式の翌日から通い詰めてるから、司書の大田先生は名前を覚えてくれた。
何も言わなくても私の用事はお見通しらしい。
「ありがとうございます。」
軽く頭を下げて図書室に戻った。