元カレ。【短編】
雅人のいなくなった部屋で、香奈は静かに泣いていた。
雅人の言葉が何度も頭の中にこだましている。
「今の俺には、香奈の気持ちが重い。一緒にいるのが、きつい。」
依存し過ぎていた。
足りないものを全て雅人で満たそうとしていた。
香奈なりに、会えないことを我慢したり、していたつもりだった。香奈の要求はできるだけ抑えて、雅人の希望を優先していたつもりだった。…それが、逆に雅人には重く感じたのだ。香奈が何を期待しているのか解らなくて。
雅人の疲れたような表情に、
「それでも一緒にいたい」
とは言えなかった。
雅人を困らせたくないから。雅人が大好きだから。
雅人がいない部屋。
からっぽに見えた。
何で埋めたらいいのかわからなくて、とりあえず、雅人と飲むはずだったビールを飲んだ。
涙は止まらなくて、ビールの味もわからなかった。
ビールも飲み終えて、またからっぽになる。
相変わらず頭の中は雅人のことでいっぱいで、香奈は少しだけ酔った頭で、また何か代わりのもので埋めなくちゃ、と思った。
「…お菓子でもたくさん食べようかな…。」
ぼんやりとした思い付きに、香奈はやっと床から立ち上がった。
雅人の言葉が何度も頭の中にこだましている。
「今の俺には、香奈の気持ちが重い。一緒にいるのが、きつい。」
依存し過ぎていた。
足りないものを全て雅人で満たそうとしていた。
香奈なりに、会えないことを我慢したり、していたつもりだった。香奈の要求はできるだけ抑えて、雅人の希望を優先していたつもりだった。…それが、逆に雅人には重く感じたのだ。香奈が何を期待しているのか解らなくて。
雅人の疲れたような表情に、
「それでも一緒にいたい」
とは言えなかった。
雅人を困らせたくないから。雅人が大好きだから。
雅人がいない部屋。
からっぽに見えた。
何で埋めたらいいのかわからなくて、とりあえず、雅人と飲むはずだったビールを飲んだ。
涙は止まらなくて、ビールの味もわからなかった。
ビールも飲み終えて、またからっぽになる。
相変わらず頭の中は雅人のことでいっぱいで、香奈は少しだけ酔った頭で、また何か代わりのもので埋めなくちゃ、と思った。
「…お菓子でもたくさん食べようかな…。」
ぼんやりとした思い付きに、香奈はやっと床から立ち上がった。