1年恋愛
目をあけるとそこは白い天井だった。

ボソッ
「保健室・・・・」

ほっぺたに手をやると湿布が貼ってある。
だけどその上から触ってもわかるほど腫れている。

「いたた~・・・すっごい腹立つけど、好きな人のことであんなに怒れるってすごいな・・・」


はぁ~っと大きなため息をひとつ。

「あ、起きた??」

声がかけられる・・・先生。

「あ、先生・・・はい。」

するとくくっと笑い声が聞こえた。

「先生じゃ・・・ないよ・・・くくくっ・・・」

「えぇ?!誰??!!」

カーテンがシャッと開けられる。

「ゆう・・・た??何で??」

「教室入ろうとしたらさ、気を失ってる神崎の事びんたしてる詠美が見えてさ、みんなビビッて助けないから俺が助けたんだよ。それにしても恐ろしい女だな、詠美って。」

「詠美ってっっ!!言わない・・・で・・・。」

「・・・ごめん、無神経だった・・・。さっきあいつとあんな事があったばっかなのに」

違う・・・そうじゃない・・・私は神崎なのに何で詠美だけ名前なの?
って・・・そんな私のわがままだから・・・謝らないで・・・。

「そういえば・・・さ。何であんなことになったの?」

やっぱ聞かれるよね。

「うん・・・ちょっと好きな人のことで揉めてさ・・・人の好きな人取るなって・・・」

「へ~・・・神崎の好きな人を詠美が取ろうとしたの?」

「ん?違うよ。詠美の好きな人と、私の好きな人がたまたまかぶっちゃって、それをマリアに相談してたら聞かれちゃったの。」

「ふ~ん、そういうことか。」

「うん・・・別に詠美は公言してるから恥ずかしくないんだろうけど、私は顔から太陽が出るほど恥ずかしかったんだから・・・。」

「くっ・・・くくくく・・・あはははははははははっ!顔から・・・太陽っって・・・くくくっ・・・。」

「ふふっ・・・」

「えっ?!」

「ん~?どーしたの?」

「いや・・・なんでもない・・・。」

この時優太の顔が赤くなったのは気のせいだろう。

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