1年恋愛

気付けばよかった・・・

その日の夜・・・私はあることに気がついた。

「そういえば私・・・保健室でとんだ失言をした・・・ような・・・?」

まだ真っ赤に腫れているほっぺを軽くサスサスとさすりながら部屋で一人つぶやく。




保健室での会話  一部分抜き取り・・・

「うん・・・ちょっと好きな人のことで揉めてさ・・・人の好きな人取るなって・・・」

「へ~・・・神崎の好きな人を詠美が取ろうとしたの?」

「ん?違うよ。詠美の好きな人と、私の好きな人がたまたまかぶっちゃって、それをマリアに相談してたら聞かれちゃったの。」

「ふ~ん、そういうことか。」

「うん・・・別に詠美は公言してるから恥ずかしくないんだろうけど、私は顔から太陽が出るほど恥ずかしかったんだから・・・。」


「ひやあぁぁぁ??!!恥ずかしいのはお前だぁぁぁぁぁ!!顔から太陽じゃなくてマグマ出すぞおぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

やっぱり・・・言ってる・・・これ本人に告白してるようなもんじゃん!!!!!

どどど・・・どうしよう・・・?

「このままの勢いで告白しちゃう・・・?」

「しちゃいなさい。」

「ひょわぁぁぁぁぁ??!!なっ・・・ななななんで・・・・」



ドタドタバタバタ 階段を駆けおりる。



「お母さんっっ!!何でマリアがいんの!!!」

「あ~ら顔真っ赤にしちゃって・・・。言ってなかったかしら?今日マリアちゃん来るって電話来たわよって。」

「言ってないよ!!はぁ~・・・まあいいや。」


再び自室



「蜜柑。告白しなさい。」

一通りの事情を聞いたマリアがそう言ってきた。

「えぇ?だってさ~・・・う~ん・・・でもな~・・・」

「ウジウジしてないでぇ!!!!!もうばれてるんだから、ウジウジしてるより言ったほうが楽でしょう??」

「うっ・・・確かに・・・・もうばれてるし・・・。」

マリア、無言のうなずき。

「わかった!告白する!!明日の放課後!必ず!!!!」

「いい心がけね。応援してる。でもね・・・本当はこれよりも先に言わなきゃいけない事があったの・・・。」

「え?なに??」

「今日は本当にごめんなさいっ!あと・・・ありがとう・・・。あたし・・・あそこで蜜柑を置いていったこと本当に後悔してる・・・そのせいで可愛い顔がこんなことに・・」

マリアは私をギュッと抱きしめて、ほっぺを軽くサスサスしててくれた。

本当に温かくて・・・少し涙が出たって言うのは秘密・・・。




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