エージェント Ⅱ
シンヤな逆らうことなんてできないあたしは、シンヤの言いなり。
シンヤの家ではなく、トラブルメーカーの溜まり場へと連れていかれた。
溜まり場の中は見知った人、好奇心に満ちた顔、好意的ではない視線。
「シンヤ〜、姫さん帰ってきたんだ」
「お前ら、部屋に近づくんじゃねーよ」
「へいへい」
幹部室に着くと、シンヤはソファーに座り、タバコに口付ける。
怒っている。
「勝手に出ていったと思って、探し回った」
「うん」
「なんで俺が、こんな小娘ごときにって思った」
「うん」
「なあ、」
「うん」
「わかってるよな」
「………うん」
「わかってるよなぁっ!!!!」
シンヤはあたしの髪の毛を掴むと、そのままソファーに押し倒す。