エージェント Ⅱ
「シンヤっ…」
「美園、俺は俺を裏切ってこの街から出たんだ。もう居場所はねぇよ」
居場所はーーない?
「でも、メールっ…」
「は?メール?」
「シンヤから、メール…」
「俺、メールなんかしてねぇぞ」
「えっ…」
じゃあ、朝開いたメールは?
シンヤが送ったんじゃないの…?
「美園、お前、なんか隠してるな」
「いやっ…」
「美園、テメェ!!」
シンヤは血相を変えて、あたしの胸ぐらを掴む。
「聞かないって言ったけど、テメェ、今までどこいた」
「ぐっ…」
「どこいたのか言えよ!」
「シンヤ止めろっ!」
怖い。
怖い。
シンヤが、怖い。