エージェント Ⅱ
あたしが声を荒げ、そしてそれが合図かのように、外から音が聞こえてくる。
これは、バイクの音…?
「チッ、」
シンヤを含め、幹部達は一斉に部屋を出ていく。
取り残された、あたしと、シンヤの彼女。
「あんた、シンヤに迷惑かけてんじゃねぇよ」
「…………」
彼女の目が、嫌悪に満ちている。
「せっかくシンヤの彼女になれたのに。あんたがいるせいで姫にもなれずにいたのに。せっかく姫になれたのに!あんたのせいでっ…」
「っ…」
「あんたなんか、居なくなればいいのよ!」
あたしが居なかったら、いいの?
それなら、誰も、何も言わないの?
「女の争いっちゅうんは、醜いなぁ」