エージェント Ⅱ
対峙(6日目)
1
黒い髪から見える襟足の赤いメッシュ。
その纏う雰囲気は、普段の彼とは違う。
「誰なのよ、アンタっ!」
「煩いケバいネェちゃんやなぁ」
「なっ、」
「あんたに構ってる暇ないねん。
おー、美園ちゃん見つけたから、ヤってええで」
星矢さんは電話をどこかへかけると、ソファーに腰掛ける。
「トラブルメーカーっいうんは、危機感の薄い奴らやなあ。全員外に行って中はすっからかん。ここに容易に入れたわ」
「…………」
「モタモタしてるから、日付も変わったし」
星矢さんに言われて壁時計を見ると、日付が変わっていた。
「ちょ、何が起きてるのよっ!?」
「あー、うるっさいなぁ。ちょっと黙ってろ」
星矢さんはそういうと彼女を睨みつける。