エージェント Ⅱ
星矢、さん…。
「美園ちゃんは"ここ"を潰すことに躊躇してたんや。それをアホなアンタが壊したんやろ。何もかも。
ーー死にたくないんなら、大人しく黙っとき」
シンヤを脅した星矢さんはスマホを取り出すと、どこかへ連絡をかける。
「終わったで。撤退するわ」
そのまま電話をかけ終わるとドアの方へと向かっていく。
「宮前、こいつどうするんだよ」
「何言うてん、そのままでええやろ」
「俺が帰れないだろうが!」
「そのまま警察に説明したらええやん。一応あっちには連絡してるんやろ?」
「色んなツテを使ってだけどな!って、そういうことじゃねぇ!」
「大丈夫やって。もしお前がここで襲われたら、その男を外国に放置してやるさかい」
星矢さんならそれを現実にできそうだから、なおさら怖い。