エージェント Ⅱ
「じゃ俺は行くわ。美園ちゃんはどうする?」
「え、」
「ここにおってもええけど?」
「…あの、」
「ほな、先行くわ」
星矢さんはあたしの返事を待たずして部屋を出て行く。
…ついて行っても、いいのかなぁ。
あたしはチラッとシンヤの方を見て、ドアの方へと走っていく。
「ほら、来た」
あたしが来るのがわかっていたのか、星矢さんは部屋の外の壁にもたれ掛かっていた。
ーーあたしが来るのをわかっていたんだろう。
幹部室の外は既に争った後で、見知ったトラブルメーカーの人たちは知らない人達に拘束されていた。
「宮前、楽太郎は?」
「ここの総長さんとっ捕まえてんねん。一人やと心細そうやったで」
それなら星矢さんがそのままいてあげたらよかったのに…なんては言わない。