エージェント Ⅱ
「お前はどうする?」
「俺もうここでは特にすることないねん。帰らせてもらおうか」
「だろうと思った。ウチの車、用意してある」
「おー!おおきに」
星矢さんに話しかけるこの人は、さっきの薄ピンク色の人の仲間だろうか?
そしてここにいる、トラブルメーカーと争ったっぽい人たちも、きっと、そうだよね。
「美園ちゃん、ほんまについてくる?」
「でも…」
「まあ、ここにおっても、君の居場所なんて一ミリもないからな」
星矢さんは全部お見通し。
なのにわざわざ聞いてくるなんて、ほんとうにズルい。
ズルくて、でもズルいのに、
なぜだが、憎めない人。
あたしは用意されてあった車に星矢さんと乗り込んだ。