エージェント Ⅱ
「あんた、」
「あるんなら貸してくれるんやな?」
「…いいわよ」
女の人に連れてこられたのは、"生徒会室"と書かれた部屋。
「最近使う奴いなかったけど、ちゃんとお湯も出るはずよ」
そう言って部屋の隅にある使われてなさそうな扉を開ける。
脱衣室と、簡易的なシャワールーム。
「生徒会室にシャワールームって、この学校にしちゃ豪華やなぁ〜」
「一応、前のトップがたまに寝泊まりするかもって作ったんだけど、そいつ以外が使うことなんてなかったから」
「さすがお坊ちゃん」
「ーーあの女も、ここの存在は知らないはずよ」
「ーーふぅん」
途中から話が逸れたように感じたけど、あたしが口出しすることではないので、知らないふりをした。