エージェント Ⅱ
「トダトワ、もうこいつ帰るって」
トワさんと生徒会室に戻ると、安積さんが星矢さんが帰る旨を伝えてくれた。
「そりゃそうよ。西の人間がここで長居しようなんて、馬鹿げてるわ」
「酷い言い草やなぁ。まあ、そりゃそうやけど」
星矢さんは笑っていた。
「車来たぞ」
安積さんに言われて、星矢さんは校門の方へと歩いていく。
安積さんも、トワさんも見送る気はなくて、生徒会室から動こうとはしない。
「早くいきな」
「ーーーはいっ…」
あたしは星矢さんの元へと駆け足になる。
すでに校門前に止めてある車のところにいた星矢さん。
「美園ちゃん、遅いで」
「っ…」
待っててくれたんだ。