エージェント Ⅱ
目が覚めたのはちょうど12時を回る頃。
星矢さんの腕に抱かれて寝ていた。
当の本人はまだぐっすり寝ている。
いつもは物音がすればすぐに目が覚めるし、寝顔なんてあたしが見ることもなかったのに、本当に眠たかったらしい。
執事さんの言う通り、機嫌がわるいんじゃなくて、ただ眠たかっただけなのか。
キスの理由はわからないけれど、星矢さんの腕の中は暖かくて、安心できる。
その暖かさで、また眠気が襲ってきた。
ーーーーー…
次に目が覚めたのは、夕方だった。
その時はさすがに星矢さんも目が覚めており、バイクの雑誌を読んでいた。
「星矢さん…」
「美園ちゃん、おはようさん。まあ、夕方やけどな」
いつもの、星矢さんだ。