エージェント Ⅱ
星矢さんが出るからと、一階に降りていったので、あたしもお見送りにと着いていく。
「ああっ!美園ちゃんっ!」
リビングの隣りの廊下を通ろうとすると、星子さんの声。
「俺よりオカンの相手してくれ。うるさいねん」
「えっ、」
玄関へ向かう星矢さんと、リビングから出てくる星子さん。
「星矢さ…」
「美園ちゃ〜ん」
星矢さんと呼ぶ前に、星子さんに抱きつかれた。
「東へ行ったやて。心配してたんやで。よう帰ってきてくれたわ〜」
「星子さん…」
「美園ちゃんが戻って来ないとかいいだしてたら、ウチ、セーヤを勘当してたわ〜」
「………」
「ほんま、帰って来てくれて、ありがとうなあ…」
星子さんの目がウルウルとしていて、すごく申し訳なくなる。
それと同時に、あたしはこんなにも、迎え入れられてたんだと、気付いてしまう。