エージェント Ⅱ




星矢さんが帰ってきたのは、午後6時を過ぎた頃。


スーツから私服に着替え、バイクの鍵をもつと、そのまま休まずにエージェントの溜まり場へと向かう。



ずっと家の中にいたせいか、外の空気は気持ちいい。





「美園お姉ちゃんっ!!」



溜まり場に着くと、外で遊んでいたユウキチくんがあたしの元へと駆け寄ってくる。





「ユウキチ、美園ちゃんと話あるねん。遊ぶんは後からで頼むわ」

「セーヤが言うんなら、待っておく…」

「ごめんね、ユウキチくん」



小さい子でも、ここではやっぱりセーヤさんには敵わない。


ションボリするユウキチくんを宥めて、幹部室へ向かう。




「来たでー」



中にいたのは、トラジさんと、テツマさん。

二人とも揃っていたから、ビクッとしてしまった。




< 148 / 178 >

この作品をシェア

pagetop