エージェント Ⅱ
「美園ちゃん、無事でよかった」
「トラジさん…。ご迷惑おかけしました」
「いいんだよ。そもそも"最初"に迷惑かけたの俺達だし」
「…?」
「ーートラジも、美園ちゃんも、その辺で。ちゃんと話そうや」
星矢さんはソファーに深く腰掛けると、神妙な面持ちになる。
「まず初めに謝っておく。美園ちゃん、あんたを利用させてもらった」
「………」
「トラブルメーカーが東の全面戦争を企ててたんも、その隙に西にも手を出そうとしてたんも、前から知ってた。
東都第一の事実上の代替わりがあってから、俺らも東がどうなるんか情報を張ってたんや」
「………」
「やからって、西が動くなんて事はなかった。
ーー君が、来るまでは」