エージェント Ⅱ
「残酷…」
「俺、あんまりにも美園ちゃんに残酷すぎて、言えへんわ〜」
「自分の専門分野を残酷っていうお前は、マジでタチ悪い奴だよ」
「セーヤさんくらいですよ、あんな残酷なの考えるのは」
「それ、褒められてるん?貶されてるん?」
「どっちもですよ」
「トラジもテツマも酷ない!?俺、逃げるわっ」
「セーヤっ!!」
星矢さんは幹部室から飛び出していき、残ったのはトラジさんとテツマさんとあたしだけ。
「セーヤさん、逃げましたね」
「美園ちゃんに嫌われたくはないんだろ。人間不信どころか、本当に嫌われてもおかしくはない事やってるんだから」
「あの、」
「聞きたい?」
「え、」
「セーヤが考えた、トラブルメーカーに隙を作るための、残酷な作戦」
「はい」
ーーそれを知れば、星矢さんに近づけるのかもしれない。