エージェント Ⅱ
3
雨の中を走るバイクは初めてで、
風がと雨で、とてつもなく寒い。
そろそろ限界って思ったら、バイクは停止した。
「着いたで」
高い塀に囲まれた、暗闇でもわかるその存在感。
「ここ…?」
「ちょい待ちー」
インターホンを押し、門が開くのを待つ。
自動で開かれた門の奥には石畳みの広いスペースがあり、少し坂になっており、下の方には駐車スペース、上に行くと、お家が見える。
上にも、下にもいくには、さらにフェンスによる柵があり、簡単には通れないようになっている。
「オカンの趣味でごつい高級なデザイン住宅なんやけど、セキュリティは万全の体制なんやで。
いつどこで命狙われるんかわからんからな」
「命っ!?」