エージェント Ⅱ
「美園ちゃん」
「…っ、はい、」
「セーヤの事、見てたでしょ?」
「えっと、」
レポートが終わったのか、トラジさんが話しかけてきた。
「あの…星矢さんって、つかめない人だなって思って…」
寝ている星矢さんに目線を送りながら、さっき思ったことを伝える。
「以外だな」
「え?」
「そんなの言うのは美園ちゃんだけだと思う」
「ええ?」
「星矢ほど単純な奴いないやろ」
「そ、そうです…?」
「セーヤは基本的に、赤羽のお嬢とエージェントの為にしか動かないから」
「………」
「むしろ赤羽のお嬢のためなら、エージェントすら放っておくほどの奴だし」
「………」
"赤羽のお嬢"
それって、星矢さんが慕っている人…だよね。