エージェント Ⅱ




星矢さんの部屋につくなり、投げかけられた言葉。




「ーーはい」

「美園ちゃんが恨むんは、俺だけでええ。俺が動かなかったら、トラブルメーカーは潰れてない」






「……でも、星矢さんが動かなかったら、あたしは星矢さんに出会えてませんでした」





あたしに残酷ならことをしたって言うけれど、


星矢さんを責めるとか、

星矢さんを恨むとか、



そんなことを考えたりしない。




「あたしは、あのままあっちにいたら、命すら危なかったんです」

「………」

「嘘かもしれない、偽りだったかもしれないけれど、星矢さんが助けてくれるって言った時、あたしは救われたんです」

「………」

「確かに酷いなとか、なんであたしがって思ったし、泣いたし…。

でも、あのままシンヤの事を吹っ切れずにいたら、あたしのこれからの人生はお先真っ暗でした」




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