エージェント Ⅱ
きっと、こいつ何を言ってるって思われてるだろう。
でもあたしには何もないから。
「ホンマ美園ちゃん、馬鹿やな」
「馬鹿で結構です。あたしの人生はあたしのものって言ったのは星矢さんです。
だからあたしの人生をどうしようが、あたしの勝手です」
「よう言うようになったな」
「星矢さんがちゃんと答えてくれないからです」
「…はぁ」
深いため息をついた星矢さんは、ベッドに腰掛ける。
「ーー俺、命狙われやすいって知ってる?」
え…?
「美園ちゃんあんまり分かってへんやろうけど、
"宮前組"って、事実上の西の2番目やで。
そんで俺はその唯一の跡取りかつ、赤羽組に自由に出入りできる限られた人間」
「………」
「意味、わかるか?」