エージェント Ⅱ
「オモロイ顔してるな。むしろここが一番危険のないところやで。少なくとも宮前組の管轄内におったら、指一本でも触れられんわ」
「そんなこと言ってもっ…」
「こめんな、美園ちゃん。時間やねん。夜は溜まり場行くから、それまで寛いどき〜」
「ちょっ、」
あたしの返事が終わる前に、扉の向こうへと消えていった。
「うそ、でしょ…」
一日、ここにいろってこと!?
あたしにどうしてろと!?
呆然とその場に立ち尽くしていると、コンコンとドアがノックされる。
「新巻美園様、お食事の準備ができましたので、一階へどうぞ」
「は、はい…」
昨日とは違う執事さんから朝食の呼び出しをされた。
足取りは重たいけれど、一階へと向かう。