エージェント Ⅱ




朝食は星子さんと二人きりだったけど、星子さんの話がとにかく尽きない。

それに誰かと朝食だなんて、久しぶりすぎた。




「ほな、一息ついたら出かけるで」

「え、」

「セーヤに頼まれてん。美園ちゃん、あんたの買い物や」



ーーーええ!?




驚く間も無く、部屋に戻って洋服を着せられ、玄関前に停めてあった車に乗り込む。




夜の雨の中と違い、今日は晴れており、星矢さんの家の大きさであったり、周囲がよくわかる。




「この当りに住んでるんわ、金持ちの坊ちゃん社長とかやねんけど、ウチが一番でかいわ」

「で、ですね…」



いわゆる高級住宅街。

その中でも一番高いところにあり、貫禄があるのは星矢さんの家。



きっと星矢さんの部屋のバルコニーからは、眺めがすごくいいのだろう。




< 32 / 178 >

この作品をシェア

pagetop