エージェント Ⅱ
朝食は星子さんと二人きりだったけど、星子さんの話がとにかく尽きない。
それに誰かと朝食だなんて、久しぶりすぎた。
「ほな、一息ついたら出かけるで」
「え、」
「セーヤに頼まれてん。美園ちゃん、あんたの買い物や」
ーーーええ!?
驚く間も無く、部屋に戻って洋服を着せられ、玄関前に停めてあった車に乗り込む。
夜の雨の中と違い、今日は晴れており、星矢さんの家の大きさであったり、周囲がよくわかる。
「この当りに住んでるんわ、金持ちの坊ちゃん社長とかやねんけど、ウチが一番でかいわ」
「で、ですね…」
いわゆる高級住宅街。
その中でも一番高いところにあり、貫禄があるのは星矢さんの家。
きっと星矢さんの部屋のバルコニーからは、眺めがすごくいいのだろう。