エージェント Ⅱ



生活用品まで一通り買い終わると、百貨店の上層階で昼食を食べた。

この時も星子さんの話は止まらない。


しかも急に来たお店なのに、貸切状態にしちゃってるし。


さすが宮前組…。





「美園ちゃん、遠慮なんかいらんからな。ほんまに」

「でも…」

「ウチはほんまに娘ができたと思うてるんで」

「でも敵かもしれないってならないんですか?」

「はっ、ウチが何年この世界におる思うてんねん。美園ちゃんが悪い奴やないってのは一目瞭然や」

「…………」

「それにあんたのこと調べようと思えば、すぐ情報回ってくるで。この世界は名前一つでどんな情報でも調べられるし、特にセーヤの周りはそこんとこに長けた奴ばかりやしな」

「…そうですか…」

「気にしんと、はよ食べ。まだ回りたいところあるねん」




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