エージェント Ⅱ
「すいませんっ、早く片付けますっ…」
「そない焦らんでもええで。てかベッドも買ったんやな」
「はい…」
さすがに一緒に寝るのは申し訳なくて、シングルサイズのベッドを購入してもらった。
そのベッドは星矢さんのベッドのとなりに置いてある。
「あの、お金…星矢さんのお金だと聞いて…」
「おお、そうやで。まだ欲しいもんあったら言いや」
「いえ、あの…」
「なんや?」
「…………」
「考えてたん、それか?」
コクンと頷く。
「あたし自身、どうしたらいいかわからないんです。逃げてきたのはいいけど、これからのこともなにもかも決めてないのに」
「…………」
「それなのに星矢さんや星子さんの優しさが心苦しいです。きっといつか出て行かなきゃと思ってます。だからこそ、です」