エージェント Ⅱ



うまくは言えないけれど、昨日今日と、あたし自身が足の浮いているような感じなのに、どうしたらいいのかもわからない。



そんなあたしを見かねてか、星矢さんはポンポンと頭を撫でる。




「すまんなぁ。俺の責任や」

「そんな、」

「美園ちゃんは、東には戻りたくはないんよな」

「はい…。でも戻れと言われたら…」

「そんな事言うわけないやろ。それに俺は助けてやるって言ったやろ。何もかもが落ち着くまでここに居ていいんやで」

「でも…」

「わかった。ここにいろ。命令や」

「っ…」

「これならいいか?」

「…なんか、ずるいですね…」

「ずるくなけりゃ、この世界に長いことおれんわ」




まだ、たくさん悩むけど、

今は星矢さんの言う通りにしておこう。




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