エージェント Ⅱ
そうは言われても、あたしの存在は迷惑だったはず。
あたしは、東の人間だから。
「悩まなくていいんだけど、俺らのなかで一番東の人間嫌ってるセーヤが、美園ちゃんを家にまで上げてるんだから。
セーヤにとって美園ちゃんは、ただの東の人間じゃないって事」
トラジさんの言葉に、あたしは苦笑する。
本当に、そうなのだろうか。
そして、セーヤさんが誰よりも東の人間を嫌っているというのは、本当なのだろうか。
「そろそろ溜まり場に行こうか」
「え、まだ昼間ですよ?」
「今日は奴がくるんだ。きっと美園ちゃんとは仲良く出来そうな奴だから、仲良くしてあげて」
「はぁ…」
奴とは、誰なんだろう。