エージェント Ⅱ




「セーヤが連れてきた女。
美園ちゃん、こいつはここに出入りしてるガキ」

「ガキじゃねぇよ!」

「ガキだろ、どー見ても。ほら、挨拶」

「ユウキチです!おねえさんのお名前は?」

「あ、えっと、美園です」

「美園お姉ちゃん!」




トラジさんに抱きついていたはずのユウキチくんは、今度はあたしに抱きついてきた。



抱きつき魔なのか…!?




「美園ちゃん、悪いんだけど、こいつの面倒をみてくれない?ちょっとテツマと話あるんだ」

「あ、はい」

「ユウキチ、美園ちゃんが遊んでくれるってよ」

「ほんと!」




遊ぶ…なんて一言も言ってないけど、あたしはユウキチくんと遊ぶらしい。



幹部室に向かうトラジさんに背を向けて、ユウキチくんはあたしの腕を引っ張り別の部屋に向かう。



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