エージェント Ⅱ
3
星矢さんは部屋に入るなり、トラジさんに泣きついていった。
「髪切るも何も、ミツキさんの勝手だろ」
「そないな、冷たいこというなや〜」
ーー誰だろう。
"ミツキさん"。
「つーかセーヤ、美園ちゃん待たせてんじゃねぇよ」
「あ、ほんまごめんな!ほな帰ろか」
「え、」
「セーヤさん、頼まれてたデータ送っておきました」
「テツマ、おおきに」
星矢さんはここでゆっくりしていくのかと思ってたのに、すぐに帰るみたい。
まさかあたしを迎えに来ただけ?
「今日、ユウキチに会ったんやろ?」
「あ、はい」
「ウザかったら殴っていいんやからな」
「そんなことないですよ…」
「アイツも男や!何すっかわからん!」
そうは言っても、ユウキチくんは小学生…。