エージェント Ⅱ
「んっ…」
物音がして目を覚ます。
隣のベッドに寝ていたはずの星矢さんはいない。
「星矢…さん…」
どこに行ったんだろうって思ったけど、すぐにバルコニーにいるのがわかった。
月明かりに照らされた影が、部屋の中へとはいってくる。
窓を閉めて外にいる為か、星矢さんはあたしが起きたことに気づいてない。
そしてその星矢さんは、電話をかけて誰かと話している。
電話を終えて部屋の中へと入ってくるのがわかると、あたしは寝たふりをする。
なんだか起きてたことを知られちゃいけない気がした。
でもそんなこと、星矢さんはお見通しだった。
「狸寝入りなんて、そんなアホなことする子やったんやなぁ〜」
「きゃっ」