エージェント Ⅱ
車はドアが閉まると、その場から発車する。
どこへ向かっているんだろう。
そして、この人は誰なんだろう。
ジッと彼を見つめる。
「ん?そんなに見つめられたら、俺も困るんやけど」
「あの…」
「ん?」
「なんで、あたしの名前を…」
「あんたん事は知ってるで。トラブルメーカーのお姫様の新巻美園ちゃんやろ?」
「…………」
「よー逃げだせたな。あんたもわかってると思うけど、逃げ出して正解や」
「…………」
「俺があんたを助ける」
「…あなたは、誰ですか…」
「俺?」
「はい…」
「俺はな、エージェントの総長、宮前 星矢」