エージェント Ⅱ
あたしがそう言うと、星矢さんはニッコリ笑った。
「言うわけないやん」
ほら。
そう言うことは、あたしには話さないくせに。
星矢さんは重要なことはあたしに話さないってわかってる。
「そんな気になるなら、ホンマに東と縁切れるか?」
「え…」
「今まで関わった人間、もう一生会えんでええんなら、言うけど」
「それは…どういう…」
「美園ちゃんにはまだ無理やろな。まだ東んこと忘れられへんし、美園ちゃんの男んことも、そうやろ」
「っ……」
図星だ。
あれだけ逃げたいと思っていたのに、あたしはまだ完全に、東から離れられていない。
「まあ、まだ3日やし、それで忘れられるような奴はよっぽどの奴なんやけどな」