エージェント Ⅱ
「しらなーーい!」
ユウキチくんはあっけらかんと、
嘘偽りのないとはっきりわかるような返答だった。
じゃあ、誰に聞いたらわかるのだろう。
星矢さんに直接聞くのは怖いし、だからと言って他の人に聞くのも勇気がいるし……。
「ユウキチに聞いたって、何も返ってこねーよ」
「テツマさん!?」
入口の壁にもたれ掛かっているテツマさん。
いつから、聞いていたのだろう?
ユウキチくんはテツマさんに気付くと、テツマさんに抱きついていく。
「あのっ…」
「ユウキチは何にも知らない。エージェントがどういう所なのかすら教えてないからな」
「…………」
「それなのにコイツは居座ろうとするんだけど」
そう言って、テツマさんはユウキチくんを引き離す。