エージェント Ⅱ
居場所(5日目)
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朝起きると、星矢さんはもういなかった。
備え付けの壁時計はまだ朝の8時。
こんな朝早くから仕事だろうか。
リビングに降りると、そこもまた静まり返っている。
壱矢さんも星子さんも、昨日は泊まりだと言っていたよね…。
「おはようございます、美園さん」
「あ、おはようございます…」
誰もいないってわけではなく、執事さんはいた。
「御朝食の用意は出来ております。それと星矢様からの伝言で、今日は誰もいないからご自由にして良いとことでした。これを…」
執事さんから渡されたのは、封筒に入ったお金。
あたしは思わず、ハッと顔を上げた。
「あのっ…これっ!」
「星矢様からご自由にと言われておりますので、ご自由にお使いになられて良いのですよ」