恋のカルテ

「もしかして君がCPA(心肺停止)の患者と救急車でご出勤してきた研修医?なんだか色々とやらかしちゃったんだってね」

どうしてそんなことを知っているのだろう。

しかも、色々やらかしただなんて酷いオマケまで付いてる。

もしかして、佐伯先生が言いふらしたのだろうか。

もしそうだとしたら、いくら医者として優秀だとしても、人としては最低だ。

「ねえ、聞いてる?」

私はチラリと隣の席を見る。

すると大きな二重の目が興味津々といった感じで私をじっと見つめていた。

まるで子犬みたいにかわいらしいアイドル。

そんなたとえがしっくりと来るような男の子。

この人も私と同じ研修医なのだろうか。

そんなことよりも、このタイミングで話しかけてくるなんてものすごく迷惑だ。

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