恋のカルテ
午後はまた、セントラルホールに戻った。
これから始まるオリエンテーションの日程や、病院の規則の話を聞いて、別途配られた手続き用の書類の説明を受けた。
昼食後にこんな退屈な話をされても正直困る。
私はあくびを咬み殺しながら、すっかり夢の中にいる森くんを羨ましく思った。
この子は、本当に自由だ。
それが終わると各医局を回って自己紹介と挨拶。
時々森くんに声をかけてくる年配の先生たちを見て、ようやく彼がどこかの大学の教授の息子だと知った。